目が磁気を感知しているかどうかを確かめるには摘出すればいい
問題の解決にあたって、古くから医学部を要するドイツの名門、デュースブルク・エッセン大学の研究者たちは最も明快な方法をとりました。
実験に投入した40匹のデバネズミのうち、22匹から目を外科的に取り除いたのです。
さらに円形の飼育室の周囲に磁気発生装置を構築し、任意の方向を北側として設定できるようにして、無傷のデバネズミと目を摘出されたデバネズミが作る巣の方向を確かめました。
結果、目のある無傷なデバネズミたちは常に磁気的な南東方向に巣を作った一方で、目を摘出されたデバネズミの巣の方向はランダム化していました。
なお、目の摘出によってデバネズミの行動に巣作りの方角以外、変化がないことも確かめられました。
この事実は、デバネズミの磁気を感知する機能が「脳ではなく目の神経に存在していた」ことを示します。