睡眠は脳の誕生以前から存在する古いシステムだった
今回の研究によって、睡眠は脳の有無にかかわらず、動物にとって普遍的な現象であることが示されました。
この事実は「睡眠」は、地球上の生物が脳を持つようになる(5億年前と考えられる)以前から存在した、非常に古いシステムであることを意味します。
つまり「脳があるから睡眠が必要になった」わけではなく、神経をもつ動物に元々あった睡眠の仕組みを、中枢神経が後から自分の都合のいいように取り込んでいたのです。
また今回の研究は、新たな睡眠薬の開発につながる可能性もあります。
睡眠の仕組みが脳の有無にかかわらず存在するという事実は、ヒドラが原始的な睡眠のモデルになる可能性を示しており、ヒドラで新たに睡眠にかかわることがわかった遺伝子が、人間でも働いている可能性があるかもしれません。