脳が無い生物にみられる謎の休憩時間
睡眠はヒトをはじめとする哺乳類に限らず、魚類や昆虫など幅広い動物で確認されています。
しかしこれまでの研究において「眠る」ことが確認されてきたのは脳を持つ動物のみであり「睡眠と脳の存在は切り離せない関係にある」と考えられてきました。
事実、睡眠は脳の機能の維持にとって不可欠であることが示されており、睡眠の妨害が脳細胞を殺し、生物を死に至らしめることが多くの研究によって知られています。
一方で、近年の研究により、クラゲやサンゴ、ヒドラといった脳が存在せず、神経が体全体に均等に分布している原始的な動物でも、一定時間ごとに、まるで休憩をとるかのように、活動が停止することがわかってきました。
またこれら脳の無い動物は休憩時間に入ると、活動を停止させるだけでなく、刺激に対しても鈍感になるといった、まるで眠っているかのような状態に陥ります。
そこで日本の九州大学の研究者らは、進化的に脳を獲得していない動物でも、睡眠をとっている可能性があると考え、ヒドラを用いて検証を開始しました。
すると意外な事実が判明します。