初めて自然の中で泳ぐ姿が撮影された
トグロコウイカはこれまも深海から捕獲されていて、水槽で飼育されたこともありますが、今回重要なのは、初めて自然の中で泳いでいる姿が撮影されたということです。
撮影はグレートバリアリーフの水深850~860mの辺りで、まだ日の残る黄昏時に行われました。
最初ROVを操作していた研究者は何を見ているのかわかっていませんでした。しかしその後、意味に気づき研究者たちは驚きの声をあげています。
シュミット海洋研究所もこの驚きの発見を伝えるツイートを行っています。
Exciting news! This appears to be the FIRST observation of Spirula, aka ram’s horn squid, alive + in its natural environment. Very rarely seen or captured, they have many extinct relatives, but are only living member of genus Spirula, family Spirulidae, and order Spirulida. 1/3 pic.twitter.com/re4rZyRuER
— Schmidt Ocean (@SchmidtOcean) October 27, 2020
トグロコウイカには近縁の種が存在しますが、それらは絶滅しており、この種自体が非常に珍しいものです。生態の多くも未知のもので、野生の姿を捉えた映像は非常に貴重なものです。
スミソニアン国立自然史博物館でイカを研究する動物学者マイケル・ベッキオーネ氏は「私は長い間ずっとこれを探していた」と語っており、フランスのブルゴーニュ大学の研究者ネージュ・パスカル氏も「非常にエキサイティングだ」とこの発見について驚きの声をあげています。