物質の第5の状態と超伝導が同時に起こることが判明
物質の第5の状態と超伝導が同時に起こることが判明 / credit: ナゾロジー
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物質の「第5の状態」による超伝導を実現! 高温での超伝導へ新たなアプローチ

2020.11.10 Tuesday

物質の「第5の状態」による新しい物理現象が東京大学の研究者たちにより実証されました。

11月6日に『Science Advances』に掲載された論文によれば固体・液体・気体・プラズマに次ぐ第5の物質の状態として知られる「ボース・アインシュタイン凝縮」において、はじめて超電導が実証されたとのこと。

ボース・アインシュタイン凝縮に由来する超伝導現象はこれまで実験的に観測されたことはなく、物理学史上に残る快挙となりました。

しかしボース・アインシュタイン凝縮とは、いったいどんな物質の状態なのでしょうか?

>参照元はこちら(英文)

東京大学 https://www.issp.u-tokyo.ac.jp/maincontents/news2.html?pid=11590

固体・液体・気体・プラズマに次ぐ「第5の物質」

物質の温度を下げていくと物質波が重なって1つの大きな波動になる
物質の温度を下げていくと物質波が重なって1つの大きな波動になる / Credit:wikipedia

物質は温度を上げていくと固体・液体・気体と分子の結合状態が変化し、さらに高温になると、分子間の結合がちぎれて、単独の原子が飛び回るプラズマ状態になります。

一方で、逆に温度を極限まで下げていくと、「第5の物質(ボース・アインシュタイン凝縮)」と呼ばれる特殊な状態に変化することが知られていました。

第5の状態について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

物質がこの第5の状態になると、信じがたいことに全体から粒子性が失われ、単一の波動として振る舞うようになります。

上の動画では、温度の低下によって粒子の存在が波として曖昧になって(淡く滲んで)いき、最終的に1つの巨大な波に統合される様子が表現されています。

超流動体は不思議な性質を持っている
超流動体は不思議な性質を持っている / Credit:ナゾロジー

またボース・アインシュタイン凝縮となった物質は、粘性のない「超流動」と呼ばれる不思議な性質を獲得することが知られています。

超流動状態では、通常の物質ではとても通過できないような小さな穴からでも漏れ出たり、容器の壁を勝手に伝って外にこぼれ出るといった、常識から外れたような挙動をとることができます。

今年9月に発表された別の研究では、超流動体内部では摩擦や抵抗が生じないことも示されました

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