バクテリアが織る「微生物織り」
微生物織りは、最初にジェーン氏が一本の連続したセルロース経糸(たていと)を織ることで始まります。
その後はバクテリアがナノレベルで緯糸(よこいと)を成長させてくれるため、人間の手が加わること無く、一枚の織物が完成するのです。
この微生物織りは環境に優しいだけでなく、高い強度をもっています。
通常の織物は人間が機械によって織るため、織り方向が限定されます。そのため、どうしても方向によって強度が異なってしまいます。
しかし微生物織りは、微生物が従来の織りでは不可能な織りパターンを形成するため、あらゆる方向に高い強度を持つのです。
さらに軽量かつ透明な素材に仕上がるため、高性能複合材料として、また生物医学的用途として様々な分野に応用できるでしょう。
さて、今回の微生物織りは、微生物をコントロールして作り出したものです。
今後、微生物の生成物やその生成方法を利用して、これまでにない安全で有用な材料を生み出せるかもしれません。