超解像顕微鏡法を使用して作成されたクロマチンの多色画像
超解像顕微鏡法を使用して作成されたクロマチンの多色画像 / Credit:Xiaowei Zhuang lab
biology

染色体はX字型ではなく全く異なる形をしていた (3/3)

2020.11.22 Sunday

前ページ明らかになった染色体の動的な構造

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同じ形の染色体は存在しない

同じ種類の細胞でも染色体の構造は異なっている
同じ種類の細胞でも染色体の構造は異なっている / Credit:Cell

今回の研究により、染体の真の姿の解明に一歩近づきました。

核の中で染色体は変形を繰り返し、より効率的な転写を行う無数のタンパク質工場を動的に作り出していたのです。

また今回の研究では、同じ種類の細胞であっても、対応する2つの染色体が同一の形状をとることがないことを発見しました。

この事実は、染色体の構造は秩序と無秩序(カオス)が複雑に絡み合いながら形成されていることを示唆します。

研究者たちは今後、様々な細胞の核内で、染色体の構造が時間や条件によってどのように変化していくかを確認していく予定です。

もしかしたら、染色体の構造を制御することで、塩基配列の書き換えに匹敵する変化を生物に与えられるかもしれません。

ただ人体の全ての細胞の染色体の活動を把握するのは、全塩基配列を決定するよりも遥かに難しくなるでしょう。

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