チーズとワインの再発見
調査をおこなうにあたり、研究者たちは1800人の高齢者を対象にデータをあつめました。
集められたデータは参加者の日々の食事と定期的な認知テストの成績が含まれており、認知力に影響を与える食品の探索が可能となっています。
対象となる食品には、新鮮な果物、ドライフルーツ、生野菜とサラダ、調理済み野菜、油性魚、赤身の魚、加工肉、鶏肉、牛肉、子羊、豚肉、チーズ、パン、シリアル、紅茶、コーヒー、ビール、赤ワイン、白ワインと発泡酒が含まれていました。
そして10年にわたる長期調査がはじまります。
結果、チーズにはアルツハイマー型以外のケースで認知力を強化する働きがあり、赤ワインには特にアルツハイマー型の認知症に対してより多くの改善効果があることが示されました。
この事実はチーズと一緒に赤ワインをとることで、幅広い認知能力の改善と、アルツハイマー型の認知症の改善の両方が行われることを意味します。
研究者たちは、チーズに含まれる細菌が腸内環境を改善して腸と脳の通信を改善し、赤ワインに含まれる抗炎症化合物(レスベラトロールなど)が脳へのダメージの蓄積を防いでいるのだと推論しました。