トップダウン型研究で健康食品を「探す」
これまでのチーズやワインの研究は、それぞれの食品だけを対象に研究をしていました。
そのため結果として示されたのは、チーズをとると「〇〇が××%改善する」というものでした。
有用なデータであることには間違いありませんが、ただ結論を出すために相関関係を自由に解釈することができました。
そのため研究が進むと食品に効果が次々と付加され、糖尿病からがんまで、何にでも効く万能食ができあがる傾向があったのです。
これでは健康効果を調べる努力が、積み重ねの末に霧散しかねません。
一方で、今回の研究では幅広い食品の中から、認知機能の強化に役立つ食品を「探す」というコンセプトで行われました。
この方法では、どの食品にも公平に評価機会が割り振られ、認知力に対する影響度の大小が測られることになります。
従来の1つ1つの食品に焦点をあわせた研究がボトムアップ型とするならば、今回の研究は探索によるトップダウン型と言えるでしょう。