エネルギー貯蔵の必要性と揚水発電のデメリット
発電方法の中には、発電量を細かく調整できないものがあります。
特に原子力発電は継続的に運転したほうが効率的なため、電力需要が小さくなる夜間にはどうしても余剰電力が生じます。
もちろん、バッテリーにそれらの電気を貯蔵しておくことは技術的に可能です。しかしエネルギーの損失やそのために必要な莫大な費用を考えると現実的な方法だとは言えません。
それでも大規模な停電などに対応するには、どこかにエネルギーを貯蔵しておかねばなりません。
そして、これまでエネルギー貯蔵設備として活躍してきたのが「揚水発電」です。
これは、余剰電力を利用して下部貯水池から上部貯水池へ水をくみ上げて保持しておく方法です。
そして電気が必要になったときには、上部貯水池から下部貯水池へ水を流すだけですぐに発電可能。
このように揚水発電とは、余剰電力を水の位置エネルギーに変換して貯蔵する斬新なシステムだったのです。
しかし、この揚水発電にもデメリットがあります。特殊な地理的条件が必須なのです。
実際、揚水発電が成り立つには2つの大きな貯水池が必要であり、その垂直距離は離れすぎても近すぎても駄目です。
新しい貯水池を建造することもできますが、簡単ではありません。
そのためいくつかの企業は、どんな地理にも対応可能な「新しい位置エネルギー貯蔵システム」を開発しようとしており、その実現はもうすぐだと言えます。