未来の位置エネルギー貯蔵装置②Gravitricity
もう1つのエネルギー貯蔵装置は、Gravitricity社が開発しているGravitricityです。
こちらは地中深くに掘られた穴に500~5000トンのおもりを落とすことでエネルギーを素早く放出するというもの。
このGravitricityには廃坑となった深さ1kmの坑道を利用します。
おもりは余剰電力を利用して上部へと持ち上げられ、位置エネルギーを保持。必要なときに落下させ電力が得られるという計画です。
Gravitricityのメリットは、瞬時に莫大な電力が得られるという点にあります。
さらに25年間はパフォーマンスが低下することがないとのこと。一般的なバッテリーと比べてもはるかに長持ちだと言えます。
また新しくGravitricityを作るとしても、地球の中心に向けて1kmの穴を掘るだけなので、設置可能なポイントは数多くあるでしょう。
さて、ここまでで揚水発電に代わるエネルギー貯蔵装置を2つ紹介してきました。他にも同様の開発を続けている企業はあります。
現在どれも商用には至っていませんが、一部では既にテストが開始されているため、実用化は近いのかもしれません。
もちろん建設には費用がかかりますが、いざという時のために安定したエネルギー貯蔵設備は必要だと言えるでしょう。