心の理論とは
「心の理論」とは人間がもつ共感を伴う能力のことであり、3歳ごろには培われると言われています。
そして心の理論の有無を知るために役立つのが「サリーとアン課題」です。
サリーとアン課題
①サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいる
②サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行く
③サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移す
④サリーが部屋に戻ってくる
質問:サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すか?
正解:かごの中
ほとんどの人は自分の視点とサリーの視点を区別して考えることができます。そのため「自分は別の箱の中にボールが入っているのを知っているが、サリーは知らない」との結論を出せます。
これはヒトが共感するために不可欠な能力だと言えるでしょう。
そしてこの心の理論によって私たちは、「健康な自分にとっては簡単でも、足腰が弱い人の立場になって考え、助けてあげる」などの人間特有の社会的相互作用を生み出します。
そのため、ロボットが人間との社会的相互作用を生み出すためには、AIに心の理論を与える必要があります。
これは非常に難しく、達成するにはまだまだ長い年月が必要ですが、新しい研究では限定的な共感能力をもったAIの開発に成功しました。