失明に至る網膜細胞の機能低下
現在、世界の約2億人が黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)を患っています。
これは加齢によって生じやすい目の病気で、ものが歪んで見えたり視界の中心が欠けたりするとのこと。
また進行することで失明に至る場合もあるため、注意が必要な病気だと言われています。
そして黄斑変性症の原因は、網膜色素上皮(もうまくしきそじょうひ)の機能低下にあります。
網膜色素上皮とは網膜の外側にあるシート状の細胞層であり、網膜から栄養分や老廃物を出し入れする役割を果たしています。
さらにこの細胞は目の中の散乱光を吸収する役割もあり、正常な視力を維持するために不可欠です。
そのため、網膜色素上皮の機能障害は失明の主要な原因になっているとのこと。
そこで研究チームは、網膜幹細胞を移植して、網膜色素上皮の機能を修正できないかと考えました。
今回の研究はその計画の一部であり、「まず人間の網膜幹細胞をサルの目に移植してみよう」というもの。