人間の死体から網膜幹細胞を採取し、サルの目に移植
最初に、研究チームは人間の死体から網膜幹細胞を採取。
そして採取された細胞は、非ヒト霊長類であるサルの目の黄斑部(網膜の中心部)の下に移植されました。
結果として、移植された細胞は重篤な副作用もなく、3カ月以上安定した状態を維持しています。
さらに移植された幹細胞は網膜色素上皮へと成長。サルの網膜色素上皮の機能を部分的に引き継ぎ、正常な視細胞機能をサポートできました。
この結果を受けて、ブレンキンソップ氏は「幹細胞移植が黄斑変性症を治療する可能性がある」と述べています。
さらに研究チームによると、「死者から採取した網膜幹細胞は、『網膜色素上皮の無限の資源』として機能し、世界中の何百万もの患者の視力を回復させるかもしれない」とのこと。
しかし、現段階ではサルへの移植が成功しただけです。実際にヒトにも有効かどうか判断するためには更なる研究が必要でしょう。
今後の研究では、失明したサルに幹細胞を移植して視力が回復するか調査されます。