脊髄損傷で麻痺したマウスが2週間で歩けるように
脊髄損傷で麻痺したマウスが2週間で歩けるように / Credit: Dietmar Fischer
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損傷した脊髄を再びつなぐ遺伝子治療に成功! 2週間でマウスが歩けるように

2021.01.24 Sunday

画期的な研究により、脊髄損傷で麻痺したマウスが、たったの2週間で再び歩けるようになりました

詳細は、ドイツのルール大学ボーフム細胞生理学科のディートマー・フィッシャー氏ら研究チームが、1月15日付けの科学誌『Nature Communications』にて公開しています。

報告によると、損傷した脊髄を回復させるカギは、自然界に存在しない特殊な人工タンパク質だったとのこと。

>参照元はこちら(英文)

Ruhr-University Bochum https://news.rub.de/english/press-releases/2021-01-15-paraplegia-designer-cytokine-makes-paralyzed-mice-walk-again

損傷した神経線維の再生を刺激する、新しい麻痺治療

現在、世界中の540万人が脊髄損傷による麻痺を抱えています。

この麻痺は、事故により神経線維(軸索)が損傷し、と筋肉の間で信号を伝達できなくなることで生じます。

神経細胞と神経線維(軸索)
神経細胞と神経線維(軸索) / Credit:Quasar Jarosz/wikipedia

現在軸索を再生することはできないので、患者は一生麻痺したままで生きていかなければなりません。

これまでの研究では、損傷部位をバイパスすることで、一部の四肢機能を回復させようとしてきました。

しかし新しい研究では、再度、不可能だと考えられてきた軸索の再生を試みました。

損傷した軸索をハイパーインターロイキン-6(hIL-6)というタンパク質で刺激して再生させようとしたのです。

hIL-6とは神経細胞の再生を刺激するために微調整された合成タンパク質のことです。

ただし自然界には存在しない特殊な合成物なので、遺伝子工学でしか作ることができません。

そのため研究チームは、「hIL-6を生成するための遺伝子命令をもつウイルス」を作り上げ、脳の運動野に注入。体内で産出させるという方法を試みました。

次ページカスタマイズウイルスを注射されたマウスが、2~3週間で再び歩けるように!

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