カスタマイズウイルスを注射されたマウスが、2~3週間で再び歩けるように!
実験には、脊髄の損傷によって両後肢が麻痺したマウスが用いられました。
マウスの脳にカスタマイズされたウイルスを注射すると、注射部位近くの運動ニューロンと呼ばれる神経細胞でhIL-6の生成が開始。
ちなみに、これらの細胞は軸索を介して、歩行などの運動過程に重要な他の脳領域の神経細胞とも繋がっています。
そのためhIL-6は、注射部以外の重要な神経細胞にも輸送されることになりました。
結果として、「神経細胞の再生を刺激するhIL-6」が、運動機能に関連する脳内の様々な神経細胞と、脊髄内のいくつかの運動経路軸索で、同時に効果を発揮。
これにより、マウスは治療を受けた2~3週間後には歩きはじめることができました。
フィッシャー氏によると、「これまで完全な麻痺の後に再生した例は無かったので、当初はとても驚きました」とのこと。
研究チームは現在、hIL-6の投与方法を改善するための研究を行なっています。
フィッシャー氏は「将来的にヒトに応用できるか示すことになるでしょう」とも述べており、今後の進展にも期待できます。