ナルシストは会社全体に悪影響を与える
もちろん、今回の調査結果は、ナルシズムによる悪影響を否定するものではありません。
ロヴェリ氏によると、「ナルシズムレベルの高い人は、金融犯罪、脱税、協調性の低下など、会社に良くない影響を及ぼすことで知られています」とのこと。
またいくつかの研究では、ナルシズムなCEOが会社全体のコミュニケーションの流れを妨げ、従業員の満足度も低下、報酬を不平等にしているとの結果が出ています。
ですから、ナルシズムな個人はCEOに早い段階で任命されやすいものの、その後、会社全体に悪影響を及ぼすおそれがあると言えるでしょう。
そのため研究チームは、「ナルシストな人が任命されやすいのは事実だが、企業は任命するときに注意を払うべきである」と警告しました。
加えてチームは、「個人が特徴的なナルシズムを獲得するのは、ビジネスで権力を獲得した後かもしれない」と指摘。
今後は、人生においてナルシズムがいつ現れるのかを調べるために、長期的な測定を開始する予定です。
また不況とナルシストのCEO任命にどのような関係があるかも調査するとのことです。