発光繊維と導電性繊維を本当に織った
研究チームは布地のディスプレイについて10年以上研究を続けてきました。
初期のアイデアでは、発光可能な時間や表示範囲にかなり制限があり、普通のディスプレイのように使うことは困難でした。
そこで今回研究チームは、縦糸に発光材料でコーティングされた導電性繊維、横糸に透明導電性ポリマー繊維を使って実際に布を織ってしまったのです。
これにより2つの糸の交点には、電界によって励起される発光ピクセルが形成されます。
電極の糸と発光層となる糸が物理的に重なることで、効果的な発光を実現したのです。
使用されているのは、直径0.5ミリメートル未満の発光する繊維状の材料です。
こうした方法によって、今回の研究では長さ6メートル幅25センチメートルの面積を持つ布地に、約50万もの発光点を実現することができたのです。
各発光点間の最小距離は0.8mmで、これはいくつかのアプリケーションにおいて、実用的な解像度の要件を満たすことができます。
実際に布として織られているものなので、柔軟性や通気性もあり、さらに洗濯もできる。
ディスプレイの技術は、さらなる新しいフェーズに突入したようです。
こうしたものが、日常に実装されるようになれば、私たちの暮らしも大きな変化していくことになるかもしれません。