地球質量が減少する要因
では、逆に地球を軽くする要因はなんでしょうか?
人類は多くのロケットを打ち上げて、宇宙へ物質を飛ばしています。
これは地球質量の減少要因になるでしょうか?
この答えはNoです。人類によって打ち上げらたロケットなどの物資のほとんどは、結局地球へ落下してきます。そのため、地球質量の増減にはあまり影響していません。
他には、地球のコアは時間の経過とともにエネルギーを失っているという問題があります。
さきほど温暖化によるエネルギーの増加が質量を増やしているといいましたが、ではコアのエネルギー損失は質量の損失にならないでしょうか?
これは実際わずかな量ですが地球の質量を減少させていると考えられます。しかし、その減少量は年間16トン以下と見積もられています。
これも大きな減少の要因にはなりそうにありません。
では、地球の質量を減少させる最大の要因はなんでしょうか?
それは水素の喪失です。
水素の多くは水として地球に存在し、水蒸気となって大気中にも存在しています。
これは上層へ向かうと、紫外線によって破壊され、酸素分子や酸素原子、水素分子や水素原子とばらばらになっていきます。
水素やヘリウムは非常に軽い元素のため、地球のもっとも高いところまであがっていきます。
地球の外気圏と呼ばれる上空500キロメートル以上の領域は、ほとんど水素とヘリウムで構成されています。
そして、水素やヘリウムなどの軽い元素は、地球の重力ではつなぎとめておくことができずに、そのまま宇宙へ逃げ出してしまうのです。
物理学者の推定によると、地球は毎秒約3キログラムの水素を失っていることが示されています。
これは年間に換算すると、約9万5千トンです。
またヘリウムは、年間約1600トン失われています。