生分解性プラスチックの問題点
生分解とは、バクテリアや菌類などによって化合物が無機物になるまで分解されるプロセスのことをいいます。
現在、生分解性プラスチックというものが登場していて、これらは環境中の微生物によって分解されると宣伝されているため、プラスチック汚染問題を解決させるものとして市場にも多く出回っています。
この生分解性プラスチックは、自然環境へポイ捨てしても土に還るようなイメージを抱きます。
しかし、実際はポリエステルを主成分とする生分解性プラスチックは、分解するために高温などの限定的な条件が必要で、自然環境ではほとんど分解されません。
このため、実験室で調整された環境ではうまくいっても、埋め立て処理された場合、通常のプラスチックと変わらずほぼ永久に残り続けるといわれています。
むしろリサイクル可能プラスチックと分ける必要が出てくることで、リサイクル業者を混乱させる原因にもなっています。
プラスチックは通常の使用では分解されないように設計されていますが、それは廃棄された後も分解されないことを意味します。
生分解性プラスチックは、環境問題に対する起死回生の一手のようにもてはやされてはいますが、実際は多くの問題点を抱えているのです。
素材の耐久性と、分解のされやすさは非常に難しい問題です。
そんな状況に対して、カリフォルニア大学の研究チームは、これまでより分解が容易な新しい生分解性プラスチックを開発しました。
この新しいプラスチックでは、ポリエステルを食べる酵素を製造過程で埋め込むことで、これまでよりも短期間で分解されやすくなっているといいます。