飲みたくないのは遺伝子の警告
今回の研究チームは、英国の大規模な遺伝子研究「UK Biobank」のデータを使って、39万人以上の人々の習慣的なコーヒー消費量と、血圧や心拍数のベースラインとを比較しました。
ここでの因果関係の比較には、メンデルのランダム化という解析方法が使用されています。
結果は、コーヒーをあまり飲まない人は、心臓の健康を害している確率が高いことが示されたのです。
日本では、国民の3分の1にあたる4300万人近くが高血圧といわれています。そしてほとんどの人は、自分の高血圧に無自覚である場合が多いといいます。
高血圧は脳卒中や心不全、慢性腎臓病など健康状態に対するさまざまな危険因子となります。
「体があなたに、余分な一杯のコーヒーを飲まないようにいっているなら、そこにはおそらく理由があります。
あなたの体の声に耳を傾けてください。それはあなたが思っている以上に、あなたの健康に対する重要なサインなのです」
ヒッポネン教授はそのように述べています。
今回の研究は、遺伝的な要因が、思いのほか体の健康状態と強くリンクして、栄養分の摂取に影響していることを示しています。
欲しいときの飲むのはもちろん問題ないでしょうが、気がすすまないのに習慣だからと続けてしまっているものは、コーヒーに限らず注意が必要かもしれません。