オレンジの皮は透明木材を頑丈するだけでなく環境にもやさしい
新しいアプローチでは、化石資源由来のポリマーの代わりに、アクリル酸リモネンが用いられます。
これはオレンジなどの柑橘類の皮に豊富に含まれている成分です。
アクリル酸リモネンにより補強された透明木材は、1.2mmの厚さで90%の光透過率と、非常に低い30%の曇り度を実現したとのこと。
画像で分かるように以前のバージョンと比べても、はるかに高い透明度が得られています。
もっとも重要なこととして、オレンジを使った透明木材は174MPa(メガパスカル)の強度と17GPa(ギガパスカル)の弾性があります。
これは建築物の桁(けた)や梁(はり)として十分利用できる数値です。
さらにアクリル酸リモネンはオレンジジュース業界の廃棄物をリサイクルして得られるとのこと。
実用レベルの強度を備えているだけでなく、持続可能で環境にやさしい透明木材が完成したのです。
ベルグルンド氏によると、新しい透明木材は、スマートウインドウ、蓄熱用木材として利用でき、照明アプリケーションとしての可能性も秘めているとのこと。
現在、研究チームはさらなる可能性を求めて、透明木材の活用法を調査しています。