透明木材には補強材が必要
以前から、ガラスのように見える透明木材の研究は続けられてきました。
木材を透明にするには、木材に含まれる成分「リグニン」を除去しなければいけません。
このリグニンは剛性を与える物質であり、木や竹など重力に逆らって高く伸びる植物には欠かせないものです。
そのためリグニンを除去した木材は透明になるものの、それだけでは剛性がなく、建築材料として機能しません。
既存の透明木材とは、リグニンを除去した「スカスカの木材」を「透明の何か」で補強したものです。
従来の透明木材は、化石資源由来の「ポリマー」が補強材として利用されていました。
ポリマーとは高分子化合物のことで、プラスチック材料であるPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)などがその一例です。
ただしこれでは資源に限界があり、持続可能とはいえません。
そこで研究チームは、ポリマーの代替品を新しく見つけることにしました。