生き残りの秘訣は「太陽光」
世界最小のコンピューター「Michigan Micro Mote(M3)」は、2014年に同大学の電気工学・コンピュターサイエンス科のチームによって開発されました。
サイズは2.2 × 4.8 × 2.4mmで、カタツムリの殻に載せられるほどの小ささです。
M3には、極小の太陽電池を用いてバッテリーを充電するシステムがあります。
研究チームは、この充電速度を指標にすることで、光量を測定できることに気づきました。
その後、地元ミシガンのカタツムリでの実用テストを経て、2017年にソシエテ諸島で実験を開始。
比較的大きなロージー・ウルフ・スネイルには、殻に直接M3を貼り付けましたが、シロポリネシアマイマイは保護種であるため、直接は貼り付けられません。
シロポリネシアマイマイは夜行性で、日中は葉の下にくっついているため、チームはその葉の表と裏にM3を設置しました。
1日の終わりに、両種に設置したM3から無線で受光量のデータをダウンロードしました。
その結果、シロポリネシアマイマイは、正午の時間帯において、ロージー・ウルフ・スネイルよりも平均して10倍以上の太陽光を浴びていたのです。
これは殻が黒くて、日光を吸収してしまうロージー・ウルフ・スネイルでは耐え切れません。
また研究チームは「本種が夜間になってからシロポリネシアマイマイを捕食しに行かないのは、日が昇る前に自分たちの生息場所へと戻れないからではないか」と考えています。
シロポリネシアマイマイは、受光量の多い森の端に暮らしており、やはり白い殻は日光の反射に役立っていると思われます。
光の射す場所にいられることが、彼らの生き残りの秘密だったようです。