クセンコ氏「風より速いのはただの錯覚」
クセンコ氏は普段から同チャンネルを楽しんで視聴しており、ミュラー氏とも科学談義をしたことがありますが、今回の実験には問題があると主張します。
クセンコ氏は端的に「一時的なスピードアップならまだしも、エネルギー保存の法則から、物体が持続的に風より速く走行することは不可能」と指摘。
続けて、「今回のような屋外テストでは、風速ランダムに変化するため、ブラックバードは風よりも速く移動しているように見えるだけでしょう。
このような状況下では、突風が吹くとヨットが加速し、風が減速しても慣性でその速度を維持するため、現在の風速よりも速く走行しているように錯覚するのです。
確かに、少しの間は風速を上回るかもしれませんが、それを”機体が風より速く走った”というには適切でありません」と説明します。
また、「動画内の説明は物理学的に明らかに間違っていたし、実験も疑問に答えるために適切に設計されていませんでした。
だから私はデレクに、動画の問題点を指摘するメールを送ったのです」と話します。
(クセンコ氏の反論の詳細はこちらから閲覧できます)
しかし、これがミュラー氏の心に火を点けました。
ミュラー氏は「1万ドルを賭けてどちらが正しいか勝負しよう」とクセンコ氏に持ちかけたのです。
売り言葉に買い言葉で、クセンコ氏も勝負に乗りました。
クセンコ氏は「物理の法則のおかげで、私は何のリスクも負っていません。ですから、金額の大小にかかわらず、どんな賭けにも応じられましたよ」と自信をのぞかせています。
二人は承諾書に直筆でサイン。
見届け人として、アメリカの科学教育者ビル・ナイ氏、天体物理学者ニール・ドグラース・タイソン氏、カリフォルニア工科大学の物理学教授ショーン・キャロル氏が、勝敗のジャッジをします。
立証責任はミュラー氏にあり、ブラックバード号を適切な条件下で風速より速く走らせることができれば勝利です。
勝負はミュラーサイドの準備が整い次第、行われる予定。
すでに勝ちを確信しているクセンコ氏は、賞金の1万ドルを自身が共同設立したオンライン学習プラットフォーム「Kudu」に寄付すると話しています。
同じく勝利を信じて疑わないミュラー氏も、賞金を寄付する慈善団体を検討中とのこと。
果たして、勝敗はいかに?