黄鉄鉱
黄鉄鉱 / Credit:Depositphotos
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「愚者の金」と呼ばれた黄鉄鉱、実は金が含まれていると判明 (2/2)

2021.07.01 Thursday

前ページ愚者の金には本物が含まれている

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黄鉄鉱には原子レベルの「見えない金」が含まれていた

点欠陥の例。黄鉄鉱には線状の格子欠陥(線欠陥)が含まれる
点欠陥の例。黄鉄鉱には線状の格子欠陥(線欠陥)が含まれる / Credit:Tosaka_格子欠陥(Wikipedia)

金属などの結晶の原子配列は、規則正しい格子状になっています。

ところが、この原子配列は必ずしも完全ではありません。一部原子が抜けていたり、余計な原子が含まれていたりするのです。

この不規則な状態を格子欠陥と呼び、黄鉄鉱にも格子欠陥があります。

そして今回、黄鉄鉱には「転位」という線状の格子欠陥のかたちで、「ナノスケールの金」が含まれていると判明しました。

各球体は原子を表す。金(Au)が含まれている
各球体は原子を表す。金(Au)が含まれている / Credit:Denis Fougerouse(Curtin University)_A new kind of invisible gold in pyrite hosted in deformation-related dislocations(2021)

つまり黄鉄鉱の中には、原子レベルの「見えない金」が存在していたのです。

フージャラス氏によると、「金の大きさは人間の髪の毛の幅の10万分の1なので、これを確認するにはアトムプローブ・トモグラフィーと呼ばれる特殊な技術が必要」とのこと。

また研究チームは、黄鉄鉱に含まれる金の抽出方法も検討し、選択浸出(英語:selective leaching)と呼ばれる方法で金だけを取り出せると分かりました。

これまで黄鉄鉱を金と勘違いし、高く評価してきた人は「愚者」とみなされてきました。

ところが実際、彼らは目に見えない金を入手しており、そこまで愚かではなかったのです。

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