口が開かないように磁力で抑えている
口が開かないように磁力で抑えている / Credit:オタゴ大学
medical

磁石で口を「物理的にロック」する減量装置が開発される

2021.06.29 Tuesday

世紀の大発明が行われました。

6月25日にニュージーランドのオタゴ大学により『British Dental Journal』に掲載された論文では、磁石を用いて上下の歯を固定し固形物を食べられなくすると、2週間後には減量効果を発揮することが示されました。

この世紀の大発明に対してネットでは一部、拷問器具に例える表現がみられるものの、多くの人々の注目を集めています。

また実験に参加した被験者たちは

「使いにくい」

「自由に話せない」

「実はチョコ溶かして、食べてました!」

と述べています。

それでは実際の、装着方法ならびに驚きの仕組みをみていきましょう。

New weight-loss tool prevents mouth from opening more than 2mm https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2021/jun/28/new-weight-loss-tool-dentalslim-diet-control Researchers develop world-first weight loss device https://www.otago.ac.nz/news/news/releases/otago830110.html
An intraoral device for weight loss: initial clinical findings https://www.nature.com/articles/s41415-021-3081-1

おくちを封鎖するとダイエットができる(名案

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Credit:canva/ナゾロジー編
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credit:University of Otago (2021) . Researchers develop world-first weight loss device/ナゾロジー編「実際の画像」はオタゴ大学プレスリリースより引用
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Credit:canva/ナゾロジー編
デンタ・スリムによってわずか2週間で6キロ以上もやせた
デンタ・スリムによってわずか2週間で6キロ以上もやせた / Credit:canva/ナゾロジー編

肥満を解消する手段は、原理的には2つあります。

1つは摂取カロリーを減らすこと、そしてもう1つは摂取した以上のカロリーを消費することです。

そこで今回、ニュージーランドのオタゴ大学の研究者たちは前者、摂取カロリーを減らす方法として画期的とも言える「おくちの封鎖」を考え付きました。

といっても、唇を縫い合わせるわけではありません。

封鎖にあたって使用されたのは強力な磁石です。

この磁石を、歯科矯正に用いるステンレス鋼とロッキングボルトを用いて、被験者たちの上下の奥歯(第一臼歯)に互いに引き付け合うように2mmほどの可動域を設けて固定します。

すると被験者たちは固形物を摂取することも咀嚼することも不可能になります。

栄養補給として許されたのは、水分のほか、低カロリーな流動食(1日あたり1200kcal)のみです。

そして2週間が過ぎました…。

2週間で平均して6.36キログラムの減量に成功
2週間で平均して6.36キログラムの減量に成功 / Credit:Paul A. Brunto et al (2021) . British Dental Journal . An intraoral device for weight loss: initial clinical findings/ナゾロジー編 日本語訳を追記

結果、被験者たちは平均して6.36kgの減量に成功します。

これは被験者たちの平均体重(125kg)の約5.1%にあたる数値です。

しかし残念なことに、この数値は、正確な値ではありませんでした。

次ページ我慢できずにチョコ溶かして食べちゃった

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