改良された製剤は画像検査も可能!がんの場所が明らかに!
研究チームが目指したのは、1つの製剤で「がんの有無」と「がんの場所」の両方を検知するというもの。
そのため従来の製剤を改良し、尿検査だけでなく、がんの場所を特定する画像検査にも反応するようにしました。
まず、「PET検査(ポジトロン断層法)」で光って見える「銅-64(64Cu)」を追加。
PET検査とは、細胞の活動状況を画像で判断できる検査であり、がん検査にも使用されます。
しかしこれだけでは、ただ体内に広がった銅-64が検出されたり、そのまま排出されたりするだけでしょう。
そのため銅-64には、がんに引き寄せられるペプチドがコーティングされました。
がんは自身の周囲を酸性にするため、その酸性環境に引き付けられるペプチドをコーティングに使ったのです。
これにより銅-64はがん周辺に蓄積。
PET検査をするなら、画像には腫瘍の場所がはっきりと光って見えるのです。
また研究チームによると、銅-64を用いたPET検査は、ブドウ糖を用いた従来のPET検査よりも鮮明で分かりやすい画像が得られるとのこと。
実際、マウスを用いたテストでも新しい製剤の効果が確認できました。
将来的にはヒトのがんも発見できるようになるかもしれません。
しかも製剤を1種類投与するだけなのでとても簡単です。
まず尿検査だけを行い、陽性だった場合には画像検査を追加すればよいのです。
研究チームは毎年の健康診断の一部になることも想定しているようです。