尿検査でがんの存在を検知
研究チームが開発したがん検査には、がんの「全身に広がる性質」が利用されています。
がんは発生源から徐々に全身に広がっていきますが、これはがん組織に発現する酵素「プロテアーゼ」が周囲のタンパク質を切り刻むからです。
そこで研究チームは投与するナノ粒子を、「プロテアーゼによって分解されるペプチド」でコーティングしました。
ナノ粒子は体内を巡って尿と一緒に排出されますが、体内のどこかにがんがあれば、ナノ粒子には「がんによる傷跡」が残るのです。
実際に行われたテストでも、この尿検査ががんの存在を検知できると示されました。
しかし、「がんの場所」を特定できるわけではありません。
そこで研究チームは尿検査に利用した製剤(ナノ粒子)を改良することにしました。