片頭痛患者はVR世界のジェットコースターにも酔いやすかった
現在の日本では、全国民の8.4%が片頭痛を患っています。
また片頭痛患者の70%以上の人々が、痛みが日常生活に支障をもたらすレベルであると回答しています。
しかし片頭痛が発生するメカニズムは詳しくわかっておらず、治療も鎮痛剤の服用や生活習慣の改善など、症状の緩和策に限られているのが現状でした。
一方で、片頭痛持ちの人には頭痛以外にも、乗り物に酔いやすいという、不思議な特性が知られていました。
そこで今回、ドイツのリューベック大学の研究者たちは、片頭痛持ちの人と健康な人の両方を、VR世界のジェットコースターに35分間連続で乗せてみることにしました。
結果、健康な人の30%が乗り物酔いになったのに対し、片頭痛持ちの人の発症率は倍以上の65%にも及びました。
また乗り物酔い状態になった場合、片頭痛持ちの人は健康な人に比べて、症状の強さは2倍、持続時間は3倍近くになりました。
さらに片頭痛持ちの人の40%が、実験後48時間以内に片頭痛の発作が起きていたことが確認されました。
なお実験に参加した患者の1カ月当たりの片頭痛の発生回数は3.7回であり、VRジェットコースター搭乗中の発作回数は0回でした。
この結果は、片頭痛持ちの人は、現実と同じくVR世界でも乗り物に酔いやすく、時間を置いて片頭痛の発作を誘発していることを示します。
ですが、より興味深い違いは脳の活性パターンにありました。