脳内での情報処理の異常が片頭痛の本当の原因かもしれない
今回の研究により、片頭痛持ちの人は脳内における視覚などの感覚情報処理に異常があり、乗り物酔いのしやすさにつながっていることが示されました。
さらに感覚情報の異常処理が時間をおいて片頭痛の発作を誘発していることも示されます。
また研究では片頭痛患者の脳では活性化だけでなく、注意力など認識能力にかかわる領域において、活動レベルの低下も確認されました。
既存の説では、頭部の神経が刺激されることで、片頭痛が発生すると考えられていましたが、原因はより深い神経回路レベルの異常にありそうです。
片頭痛の前兆として知られている、目の前で光がチカチカしたり、視野の一部が欠けたり、歯車のような存在しないギザギザしたものが現れたりする視覚現象も、もしかしたら感覚情報の異常処理と関連しているのかもしれません。
研究者たちは今回得られたデータが、鎮痛剤とは全く異なる方法で片頭痛の発生を抑制する、新たな治療薬の開発につながると考えています。