コーヒーは本当に体に悪いのか?
コーヒーは人気の高い飲み物であるため、その影響を調査した研究というのは、何も今回が初めてではありません。
特に認知症との関連を調査した研究は、過去にも報告があります。
しかも、そこではまったく別の可能性が示されています。
2018年に報告された東フィンランド大学(UEF)の研究では、1日に3~5杯のコーヒーを飲んでいると、晩年期に認知症リスクが約65%減少すると報告しています。
ぜんぜん逆のことをいっているので、もう何を信用していいかわからない、と思う人もいるかもしれません。
しかし、これらの研究が述べていることは大きく矛盾はしていません。
今回の研究は6杯以上という非常に多量にコーヒーを摂取している人のリスクを指摘するもので、少量を摂取した場合の影響については今回言及していません。
研究チームの一人、オーストラリア精密保健センター(Australian Centre for Precision Health)のエリナ・ヒッポネン教授も「コーヒーの飲み過ぎは良くないため、節度が鍵になる」と述べており、摂取量のバランスを見つけることが健康のために重要であると訴えています。
こうしたデータ上の関連性を指摘する研究では、研究者もメカニズムを明らかにすることはできません。
そのため今回の発見には、カフェインに影響している可能性はかなり高いでしょうが、ではエナジードリンクの場合どうなるのか? ということも特に言及はされていません。
また、コーヒー1杯の量も使っているカップに依存するため、明確に6杯がどの程度の量か定義することもできません。
ただ、コーヒー消費量と脳の間に無視できない大きな相関性が見つかった以上、そこには何かがあるのだろうと注意しておくことが重要です。
何事も過ぎたるは及ばざるが如し、コーヒーをあまりにたくさん飲みすぎている人は、今後少し摂取量を控える努力をした方が賢明でしょう。