遺伝子解析の結果、テストステロンは人生を成功に導かないと判明
研究チームは、UK Biobankに保管されているイギリス在住の成人30万6248人のサンプルを対象に、「メンデルランダム化」と呼ばれる手法を適用しました。
メンデルランダム化とは、遺伝の違いを利用して単純な相関関係と因果関係を区別する疫学的な手法です。
研究チームは、テストステロン値の上昇に関連する遺伝子変異を特定し、それが健康や成功にどのように関連するか調べたのです。
人の遺伝子情報は、がんに伴う変化などの稀な例を除き、通常生涯にわたって変化しません。
健康状態や社会的・経済的状況によって遺伝子が変化する可能性はほとんどないのです。
つまりテストステロン値の上昇に関連する遺伝子変異は、外部の影響を受けない不変の要素であり、その人生の結果と比べることで、テストステロンの役割が判明します。
そして膨大な調査の結果、「テストステロンが人生に成功を与えているわけではない」と判明しました。
では、これまでささやかれてきた「テストステロン成功秘話」はまったくのデタラメだったのでしょうか?