糞便移植は不安も減らす
今回の研究により、若いマウスの糞便を移植が、老マウスの認知機能が若返えらせる仕組みが判明しました。
若いマウスの糞便は老マウスの腸内で腸内細菌叢を変化させ、脳を助ける物質を増産させていました。
また若いマウスの糞便は、免疫能力を強化することで老マウスの海馬に影響を与え、学習や記憶能力を強化していました。
そしてこれらの増強が合わさって、老マウスの認知機能を若返らせていたのです。
また追加の実験では、若いマウスの糞便が、高架式十字迷路の腕部分での老マウスの滞在時間を増やすことが示されました。
高架式十字迷路は上の図のように、左右を壁に守られた落下の危険のない上下の通路と、落下の危険性がある壁無しの腕部分の通路から構成されています。
この迷路にマウスを入れると、不安を強く感じやすいマウスは安全な壁に守られた通路に長くとどまる一方で、不安を感じにくいマウスは壁無しの通路にも長く留まります。
この結果は、若いマウスの糞便移植によって老マウスは不安を感じにくくなっていることを示します。
研究者たちは今後も糞便移植の効果を探索し、脳の若返りを引き起こしている細菌種を詳しく調べていくとのこと。