瞑想は脳の神経回路を再編成する
近年、瞑想の与える様々な精神的効果が、脳科学によって明らかになってきました。
瞑想という非日常的な経験を積み重ねることで、神経活動パターンが再編成され、場合によってはは灰白質の密度増加など、脳の構造そのものを変化させることが報告されています。
この変化は、外部からの刺激や体の感覚を遮断し精神の集中する「瞑想」という新たな状態に、脳が適応することで生じると考えられています。
しかし、瞑想が脳のどの部分にどんな変化を与えるかといった、具体的な研究は詳しく行われていませんでした。
地球生命の中で瞑想が行えるのは人類のみであり、マウスやサルを用いた動物実験による知識を得ることができなかったからです。
瞑想の効果を科学的に調べるためには、究極的には、人間の脳を直接観察する必要がありました。
そこで今回、ニューヨーク州立大学の研究者たちは、8週間の瞑想トレーニングを行ってもらった被験者たちの脳の様子をMRI(核磁気共鳴)を用いて調べ、トレーニング前との比較を行いました。
すると、非常に興味深い結果が現れました。
瞑想は私たちの脳のモードチェンジを強化していたのです。