瞑想は「ボケー」と「シャキーン」の切り替えをしやすくする
覚せい時の私たちの脳には、2つの異なるモードが存在します。
1つはランダムな思考をさまよわせている、通常の「ボケー」っとした状態。
もう1つは特定の何かに注意力が注がれている、集中力のある「シャキーン」とした状態です。
この2つの状態は脳の異なる回路を使用しています。
具体的には「ボケー」を担当するのは「デフォルトモード ネットワーク」で「シャキーン」を担当するのは「(背側)注意 ネットワーク」と呼ばれています。
勉強や仕事に集中するときに「頭を切り替える」という表現を使いますが、脳の中でも実際に担当する回路がデフォルトから注意に切り替わっていたのです。
8週間の瞑想トレーニングを行った被験者たちに起きた最も大きな変化は、この2つの回路の間を結ぶ接続性の強化でした。
瞑想は、ノイズに邪魔されながらも何度も精神を集中させるという過程を経るため、デフォルト回路から注意回路へと移行するための接続が鍛えられていたと考えられます。
そのため研究者たちは、瞑想は通常モード(ボケー)から注意モード(シャキーン)への移行を円滑にする効果があると結論しました。
勉強や仕事に挑むにあたって、多くの人が注意モード(シャキーン)への切り替えに苦労していますが、研究結果は、瞑想が円滑な切り替えの鍵であることを示します。
ですが、瞑想の効果は単に切り替えの円滑化だけではありませんでした。
デフォルモードネットワークと注意ネットワークの両方において、内部接続も増加していたのです。
デフォルトモードの強化が何をもたらすかは不明ですが、注意ネットワーク内部の接続増化は注意力や集中力を高めるだけでなく、注意モードに入った場合には、注意を長く維持できるようにする効果があると考えられます。
大企業の経営者の多くに瞑想の習慣があると言われていますが、瞑想によって得られる高い注意力や注意の持続は、多くの情報をもとにした決断に役立っているのかもしれません。