安価なCO2センサの67%は疑似センサだった
研究チームはこれまで、CO2濃度測定と可視化に取り組んできました。
今回はその技術と理解を踏まえ、販売サイトでの取り扱いが急増している「安価なCO2センサ」の精度検証を行いました。
アクリル水槽内のCO2濃度を変化させ、基準となるT&D社製の研究用センサ(センサA)と2021年5月に購入した2900~4999円の安価なCO2センサ12台(センサ1~12)を比較したのです。
同時に信頼性の高いCHC社製の産業用センサ(センサB)の数値も比較対象としました。
その結果、参照用のセンサAとBはほぼ同じ測定値でした。
そして12台のうち3機種(全体の25%)のセンサは、測定値に15%以上誤差があるものの、CO2には反応しており、校正すれば感染症対策に利用できると考えられます。
ところが8機種(67%)のセンサはCO2に反応しておらず、CO2以外の物質を測定していると判明。
ちなみに1機種(8%)は異常な数値を表示したため、故障していると考えられます。
さらに消毒用アルコールに対する各センサの反応を調査したところ、CO2に反応しなかった8機種の値が2~10倍に急上昇しました。
つまりこれらのセンサは、CO2ではなくアルコールなどの雑ガスに反応する「疑似センサ」である可能性が高いと言えます。