障害物の向こう側を見る技術
今回の研究は、以前に報告されたNLOS(非直接照準:Non-Line-of-Sight)イメージングという技術をさらに進歩させたものです。
NLOSイメージングというのは、レーザー光の壁などの反射を利用して、道の角や障害物の裏側など直接見えない場所にあるオブジェクトを画像化するという技術です。
この方法では物体に当たって戻ってくる光の移動時間や反射角度を測定することで、そこにある物体の姿や空間的な配置を計算しています。
これは自動運転車などに搭載することで、事前に見えない位置に潜む危険を察知するセンサーとして役立つことが期待されています。
ただ、このシステムには弱点があり、微弱な反射光を集めるために非常に広い領域をスキャンする必要がありました。
屋外環境で利用することを考えた場合、そうそう都合よく広いスキャン領域が確保できるとは限りません。
そのため、この技術はまだ実用性においては難があったのです。
そこで研究チームはこの問題点を解決されるために、新しい手法を考案しました。
それが「鍵穴イメージング(keyhole imaging)」と呼ばれるもので、今回の研究の主題となっている技術です。
では、鍵穴イメージング技術では、どのようなことが可能になるのでしょうか?