鍵穴から入ったレーザー光が室内の様子を明らかにする鍵穴イメージング技術
鍵穴から入ったレーザー光が室内の様子を明らかにする鍵穴イメージング技術 / Credit:Keyhole Imaging | IEEE TCI 20201,Stanford Computational Imaging Lab
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「鍵穴からのレーザー光」だけで室内の物体を画像化させる技術が登場 (2/2)

2021.09.11 Saturday

前ページ障害物の向こう側を見る技術

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鍵穴があれば室内の様子がわかる

鍵穴イメージングでは小さな穴にレーザーを通すだけで室内を画像化できるという。
鍵穴イメージングでは小さな穴にレーザーを通すだけで室内を画像化できるという。 / Credit:canva

鍵穴イメージングでは、ドアに付いた小さな鍵穴にレーザーを照射するだけで、室内の様子を探ることができるといいます。

いまどき、向こう側まで貫通した鍵穴というものは見かけませんが、これはそのぐらい小さな覗き穴が1つあるだけで、室内を画像化できるということです。

これが可能になるということは、これまで広い領域のスキャンが必要だったNLOSイメージングの弱点を克服し、鍵穴を通って単一路に沿って戻る狭い範囲の僅かな光をスキャンするだけで、隠れている物体の形状を推定できることを意味しています。

鍵穴を通る単一の光路を使い光の移動時間を測定する
鍵穴を通る単一の光路を使い光の移動時間を測定する / Credit:Keyhole Imaging | IEEE TCI 20201,Stanford Computational Imaging Lab

この方法では、室内の未知の物体が動くものであると仮定しています。

室内である物体が動いて変化した場合、戻ってきたレーザー光を時間分解することで、その形状を推定することができるわけです。

この一連の投影からシステムを室内の動く物体を画像化します。

鍵穴から照射したレーザーで画像化されたオブジェクト
鍵穴から照射したレーザーで画像化されたオブジェクト / Credit:© 2021 STANFORD COMPUTATION IMAGING/KEYHOLE IMAGING | IEEE TCI 2021

解像度は低いですが、室内で移動している物体の形状をかなり正確に画像化できていることがわかります。

もちろん、このシステムにも弱点があります。

それは今、説明したとおり物体は室内で動き回っている必要があるということです。

動かない物体については、まだこの鍵穴イメージングでは形状を推定するだけのデータが足りないため、画像化できません。

実験の様子。測定するオブジェクトは、このようにレールに乗せて移動させている。動かないものはまだスキャンできない。
実験の様子。測定するオブジェクトは、このようにレールに乗せて移動させている。動かないものはまだスキャンできない。 / Credit:© 2021 STANFORD COMPUTATION IMAGING/KEYHOLE IMAGING | IEEE TCI 2021

まだ、条件付きでしか機能しないとはいえ、わずかな穴を通すだけで室内の動く物体の位置と形状を推定し画像化できるというのは大きな成果です。

こうした技術は、室内に立てこもる犯人の状況を探る特殊部隊などの作戦で活躍する可能性があります。

良からぬことには、使わないでほしい技術ですね。

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