同じ豪雨でも雷頻度に違いがあるのはなぜか?スパコン「富岳」で解明!
天気予報で見かける「雷注意報・警報」は、雷を直接計算した結果ではありません。
一部の観測や計算をもとにして、統計的・経験的に雷の可能性を見積もっているだけなのです。
そのため雷頻度の違いを事例ごとに伝えることはできません。
例えば、2017年の九州北部豪雨と2018年の西日本豪雨はともに梅雨前線によってもたらされた豪雨でしたが、雷頻度には大きな違いがありました。
前者では高頻度で雷が鳴っていましたが、後者ではほとんど観測されなかったのです。
しかし、なぜこのような違いが生じるのか、誰も分かっていませんでした。
そこで研究チームは、雷頻度の違いを明らかにするため、雷を直接計算できる「気象雷モデル」を開発しました。
しかし非常に高い計算能力が要求されるため、従来のスーパーコンピュータでは九州北部豪雨や西日本豪雨を再現できません。
そこでチームは、世界スパコンランキングの4部門で1位を獲得したスーパーコンピュータ「富岳」を使用することにしました。