雷頻度の違いは積乱雲の高さから生じていた
富岳によるシミュレーションの結果、九州北部豪雨と西日本豪雨を再現することに成功しました。
そして雷頻度が大きく異なる原因は、豪雨をもたらす積乱雲の背の高さの違いにあったと判明。
九州北部豪雨は背の高い雲によってもたらされましたが、その中では電荷を発生させるあられが多く存在しており、高いところまで広範囲にわたって分布していました。
その結果、雲内部の電荷が大きくなりやすく、雷が発生しやすかったようです。
対照的に、西日本豪雨は背の低い雲によってもたらされており、内部のあられは量が少なく、高い位置に存在できません。
結果として雲内部の電荷は大きくならず、雷も発生しにくかったのです。
さて今回の研究により、気象雷モデルを使うなら、雷頻度の予測が可能だと分かりました。
今後、スーパーコンピュータの能力が全体的に向上していくなら、天気予報に雷頻度の情報を加えることができ、雷被害の低減に貢献するでしょう。