ヘビは6600万年前に生じた大量絶滅の後から多様化していた
今から約6600万年前、白亜紀と古第三紀の境目で地球上の生物種の推定76%が絶滅しました。
これまでの調査によると、その絶滅現象の後、いくつかの脊椎動物が多様化したと分かっています。
しかし、ヘビに及んだ影響については明らかになっていませんでした。
そこで今回研究チームは、ヘビの化石や地理的分布、DNA変異率などの様々なデータを組み合わせて、当時から現在に至るまでのタイムスケールを推測することにしました。
その結果、大量絶滅を生き残ったヘビはわずか6系統だけだったと判明。
そしてその後、急速に多様化し、さまざまなヘビ種が生まれていたと分かりました。
加えて、ヘビの形やサイズの幅も隕石衝突後に急速に拡大し、ギガントフィスやティタノボアといった巨大ヘビが出現したようです。
またこの時期に、体長10mにもなる巨大なウミヘビも登場しています。
つまり、現存する約4000種のヘビに至る多様化は、大量絶滅後の短い期間で発生していたのです。
さらに今回の研究によって、ヘビがこの時期に世界各地に広がったと推測できるようです。
もともとヘビは南半球のどこかに住んでいたと考えられていますが、最初に地理的な広がりを見せたのは、大量絶滅現象後のアジアだったのです。
チームは、研究結果を次のようにまとめています。
「今回の成果は、絶滅現象が“創造的破壊”として作用したことを示しています」
「つまり古い種が一掃されることで、生き残った種は生態系の隙間で繁栄できるようになったのです」
さて今回のように、多様化とその時期に対する理解はますます深まっています。
今後もそれぞれの種に対する調査が進むなら、生物的多様性についてより詳しく知ることができるでしょう。