ヘビは隕石衝突の後に多様化していた
ヘビは隕石衝突の後に多様化していた / Credit:Depositphotos
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現代のヘビは6600万年前の大量絶滅後に多様化していた

2021.09.26 Sunday

6600万年前、恐竜を含む大量の生物が絶滅しました。

その原因については諸説ありますが、現在、科学者たちの間では隕石衝突説が有力とされています。

そして最近、イギリス・バース大学(University of Bath)に所属する生物系統学者キャサリン・クライン氏ら研究チームは、ヘビが隕石衝突後に急速に多様化していたと発表しました。

研究の詳細は、9月14日付の科学誌『Nature Communications』に掲載されています。

Modern snakes evolved from a few survivors of dino-killing asteroid https://phys.org/news/2021-09-modern-snakes-evolved-survivors-dino-killing.html
Evolution and dispersal of snakes across the Cretaceous-Paleogene mass extinction https://www.nature.com/articles/s41467-021-25136-y

ヘビは6600万年前に生じた大量絶滅の後から多様化していた

6600年前、地球上の生物は大量絶滅した
6600年前、地球上の生物は大量絶滅した / Credit:Depositphotos

今から約6600万年前、白亜紀古第三紀の境目で地球上の生物種の推定76%が絶滅しました。

これまでの調査によると、その絶滅現象の後、いくつかの脊椎動物が多様化したと分かっています。

しかし、ヘビに及んだ影響については明らかになっていませんでした

そこで今回研究チームは、ヘビの化石や地理的分布、DNA変異率などの様々なデータを組み合わせて、当時から現在に至るまでのタイムスケールを推測することにしました。

その結果、大量絶滅を生き残ったヘビはわずか6系統だけだったと判明。

そしてその後、急速に多様化し、さまざまなヘビ種が生まれていたと分かりました。

(左)ギガントフィスの予想図, (右)ティタノボアの予想図
(左)ギガントフィスの予想図, (右)ティタノボアの予想図 / Credit:(左)Joerim(Wikipedia)_ギガントフィス, (右)Nobu Tamura(Wikipedia)_ティタノボア

加えて、ヘビの形やサイズの幅も隕石衝突後に急速に拡大し、ギガントフィスティタノボアといった巨大ヘビが出現したようです。

またこの時期に、体長10mにもなる巨大なウミヘビも登場しています。

つまり、現存する約4000種のヘビに至る多様化は、大量絶滅後の短い期間で発生していたのです。

(左)ヘビ種の系統, (右)ヘビ種ごとの地理的分布
(左)ヘビ種の系統, (右)ヘビ種ごとの地理的分布 / Credit:Catherine G. Klein(University of Bath)_Evolution and dispersal of snakes across the Cretaceous-Paleogene mass extinction(2021)

さらに今回の研究によって、ヘビがこの時期に世界各地に広がったと推測できるようです。

もともとヘビは南半球のどこかに住んでいたと考えられていますが、最初に地理的な広がりを見せたのは、大量絶滅現象後のアジアだったのです。

チームは、研究結果を次のようにまとめています。

「今回の成果は、絶滅現象が“創造的破壊”として作用したことを示しています」

「つまり古い種が一掃されることで、生き残った種は生態系の隙間で繁栄できるようになったのです」

さて今回のように、多様化とその時期に対する理解はますます深まっています。

今後もそれぞれの種に対する調査が進むなら、生物的多様性についてより詳しく知ることができるでしょう。

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