psychology

「内向的」「外向的」は脳の仕組みからして違う

2018.05.27 Sunday

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Point
・内向的な人は外向的な人よりもドーパミンの閾値が低く、それにより刺激に敏感である
・刺激による疲れを癒やすために一人になる時間を確保したがる
・重要なのは、人との違いをスキルとして活用する方法を編み出すこと

「内向的」という言葉を聞いたとき、どのような人を想像しますか?静かで閉鎖的、そして一人の時間を好むような人を連想したのではないでしょうか。

しかし、内向的であることと、他人と過ごす時間の長さは何ら関係がありません。内向的な人は実際、深くて有意義な友好関係を築きあげています。

内向的な人と外向的な人は、実は生物学的に異なっているのです。それは社会生活における出来事に対し、どのような生体反応をするかで分けられます。

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心理学博士のペルペツア・ネオ氏によると、内向的な人は、外向的な人と比べてドーパミンの閾値が低いことが分かっています。ドーパミンは、運動調整やホルモン調整、快の感情などに関わっています。ドーパミンが低ければ低いほど、その人は刺激に敏感になります

このことについてネオ氏は、「内向的な人は、自分や信頼できる心地の良い少数グループの中で力を発揮します。また、非常に刺激的な社会環境に置かれると縮こまって後ずさりします。一方で、外向的な人はそのような状況で、興奮してどんどん人の輪へ入っていきます」と述べています。

内向的な人の脳と外向的な人の脳は、神経回路の伝わり方も異なっています。外向的な人は短い経路で脳の信号が伝わりますが、内向的な人は長い経路を辿って信号が伝わります。経路が長いほど、脳の多くの部分を刺激することになるので、内向的な人は情報に対して反応が異なってきます。

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例えば、間違いを知覚する脳の右前頭島皮質でその違いが現れます。内向的な人は様々な細かい部分まで認知し、間違いに気づくことができるのです。また、結果を評価する前頭葉にも違いが生じます。この違いは、内向的な人の心の内で次に何が起こるか心配させます。さらに、話しているときに長期記憶から思い出しやすいという特徴もあります。

基本的に、内向的な人にとって出来事とはただの出来事ではありません。外向的な人がすぐさま環境に反応できるのと違って、内向的な人は頭の中で様々な思考が駆け巡って反応できないのです。

「内向的な人たちは社会環境において傷つきやすいのです。このことを人々は神経症だと言いますが、実際には脳の神経経路が異なっているのです。だから、不必要な情報にたくさん触れる環境にいた後に、内向的な人の神経システムは疲弊してしまうのです」とネオ氏は語っています。

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また、外部の刺激に過敏な内向的な人は、「内向的二日酔い」といって、一人の時間を過ごして心の充電を行うことを必要とします。一人の時間を過ごすことで、副交感神経が刺激されてリラックスすることができ、体が回復します。

このように内向的な人と外向的な人は異なりますが、内向的な性質は決して悪いことではありません。他の人々と生き方が異なるだけです。

たとえあなたが内向的であっても外向的であっても、一番重要なことは、違いを利点にできるように上手な活かし方を学ぶことなのです。

via: BusinessInsider / translated & text by ヨッシー

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