頭蓋骨の粉末を使った飲み薬
頭蓋骨の粉末を使った飲み薬 / Credit:Depositphotos
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かつてヨーロッパでは「人間の頭蓋骨を使った飲み薬」が流通していた (3/3)

2021.10.29 Friday

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頭蓋骨の薬は市場を大きくした後、科学に敗北する

大抵の場合、頭蓋骨や死体を用いた薬には、新鮮な材料が必要とされます。

そのためイギリスでは、頭蓋骨や死体の巨大な市場が形成されることになりました。

不謹慎だったとしても、大きな需要に対して「死体を商品として扱う企業」が生まれるのは当然の結果だと言えるでしょう。

彼らは新鮮な死体を戦場から薬屋へと流通させ、儲けていたのです。

頭蓋骨の需要は、死体の略奪へとつながる
頭蓋骨の需要は、死体の略奪へとつながる / Credit:Depositphotos

そして頭蓋骨の需要はイギリス以外の国でも生じます。

特にドイツでは頭蓋骨の需要が大きく、アイルランドの戦場から死体を略奪し、そのままドイツに売るという商売が盛んに行われていました

とはいえ、こうした頭蓋骨の商売も近代科学には勝てません。

1778年には頭蓋骨を売ったという記録が残っていますが、この商売は19世紀の時点で完全に失われたようです。

前進する解剖学と生理学が、頭蓋骨にまつわる迷信を見事に論破したのです。

さて現代でも、科学によってますます正確な理解が得られるようになっています。

私たちが当然のように信じていることでも、数百年後には「頭蓋骨の飲み薬」のように扱われているかもしれないのです。

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