1枚の回転翼だけで空を飛ぶ「モノコプター」
紙飛行機や竹とんぼなどの最も単純な空飛ぶおもちゃでさえ、その飛行には、左翼と右翼、もしくは2枚以上の回転翼が必要です。
動力を搭載した飛行機やドローンになると、その構造はもっと複雑になるでしょう。
しかし、新しく開発されたモノコプター「F-SAM」は、たった1枚の回転翼だけで飛行しているように見えます。
1枚の回転翼自体が本体であり、回転翼の先端に装着された制御装置とバッテリーでコントロールされているのです。
そして逆側の先端には小型のモーターとプロペラが付いており、これによって翼が回転するようになっています。
研究チームによると、「新しいモノコプターのデザインはカエデの種子を参考にした」とのこと。
カエデの種子には「翼果(よくか)」と呼ばれる翼状の果実が付いており、プロペラのようにくるくると回りながら落ちていきます。
この回転が種子の落下速度を遅くし、より広範囲に種子を届けることができるのです。
そしてチームはこの回転方法を模倣し、さらに動力を追加することで、一枚の回転翼だけで16分間飛行できるようにしました。