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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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タコの8本腕には「役割分担」があった、最も多く使われる腕とは?

2025.09.12 12:00:16 Friday

タコは柔軟に動く8本の腕があります。

では、その8本の腕はそれぞれ平等に使われているのでしょうか?

そこで米フロリダ・アトランティック大学(FAU)は今回、タコの腕の使われ方について調査。

その結果、タコの腕には「役割分担」があり、なかでも最もよく使われる“主役の腕”があることが明らかになったのです。

研究の詳細は2025年9月11日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されています。

Octopuses Use Their Arms in Surprisingly Similar Ways to Us https://www.sciencealert.com/octopuses-use-their-arms-in-surprisingly-similar-ways-to-us Octopuses prefer to use different arms for different tasks, scientists find https://www.theguardian.com/environment/2025/sep/11/octopuses-prefer-to-use-different-arms-for-different-tasks-scientists-find
Octopus arm flexibility facilitates complex behaviors in diverse natural environments https://doi.org/10.1038/s41598-025-10674-y

タコの腕には「主役」と「サポート役」があった?

タコの体のほとんどは8本の腕でできています。

水の中をすべるように泳ぐときも、海底を歩くときも、獲物をつかむときも、吸盤が並ぶこの腕が大活躍します。

しかし「全部同じように使っている」と考えてしまいがちですが、実際のタコはもっと戦略的でした。

新たな研究で、野生のタコを水中カメラでじっくり観察した結果、8本の腕の使い方に明確な違いがあることがわかりました。

研究チームはカリブ海やスペインなど6つの場所で25匹のタコを観察し、合計3907回もの「腕の動き」を細かく記録。

結果、タコは8本のうち「前方に伸びる4本の腕」を最も多く使っていました。

特に「伸ばす」「持ち上げる」「下げる」「カールさせる」など、タコが周囲を探ったり、獲物に手を伸ばしたりする動作は、この前方の腕が主役となっています。

全体の動作のうち約64%が、前方の4本の腕で行われていたのです。

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Credit: canva

一歩で、後方にある4本の腕も使われますが、その割合は全体の36%ほど

つまり、タコの「主役」は前方の腕、後方の腕は「サポート役」のような立場だと言えるでしょう

また、タコの腕はどれも見た目はほぼ同じで、左右の「利き腕・利き足」のような偏りはなく、どちら側も同じように使われていることも明らかになりました。

言い換えると「両利き」のような状態です。

しかし「前と後ろ」という位置関係による役割分担はとてもはっきりしていました。

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