マイクロプラスチックはどこまで入り込む?
マイクロプラスチックは直径5ミリ未満のとても小さなプラスチック片です。
この粒子は、もともと小さい粒として作られる場合もあれば、ペットボトルや合成繊維の服などの大きなプラスチック製品が、自然界で摩耗や分解を受けて細かくなったものも含まれています。
これらの微小なプラスチック片は分解されにくく、川や海、空気、そして私たちが毎日口にする飲み水や食品にも混じっています。
最近の研究では、人間が毎日無数のマイクロプラスチック粒子を飲み込んだり吸い込んだりしている可能性があると指摘されています。
では、体内に取り込まれたマイクロプラスチックは、どこまで到達するのでしょうか。
この問題の調査は、これまで主に消化管や肺など、体内の比較的アクセスしやすい部分に焦点が当てられてきました。
便や血液、胎盤、さらには脳など多くの臓器でマイクロプラスチックが検出されていますが、骨のような体の奥深い部分にまで入り込んでいるのかは長く分かっていませんでした。
そこで、カンピナス州立大学の研究チームはマイクロプラスチックと骨の関係について、世界中で報告された62件の研究論文を総合的にレビューしました。
このレビュー論文では、自分たちで新しい実験を行うのではなく、これまでに発表された多くの研究成果を集めて分析し、現時点で何が分かっているのか、どこに課題が残っているのかを整理しています。
マイクロプラスチックがどのような経路で骨や骨髄に到達するのか、骨や骨髄の細胞にどんな影響を与えているのか、動物実験や細胞実験などさまざまな視点から情報をまとめています。