一人時間は「誰かと一緒」で幸福度アップ
研究チームは今回、アメリカの「タイムユース調査(American Time Use Survey)」の膨大なデータ(4万1000人以上・4つの調査時点)を分析しました。
調査では、参加者が前日の活動を細かく記録し、その中からランダムに選ばれた3つのエピソードについて「どのくらい幸せだったか」を自己評価します。
また、その活動を「一人でやったか」「誰かと一緒だったか」(対面または電話)も答えました。
特徴的なのは、介護や電話など、元から社会的な活動は除外し、読書や家事、散歩や通勤など、普通は一人ですることが多い80種類以上の日常行動に絞って分析している点です。
その結果は驚くべきものでした。
297種類の具体的な活動ごとの分析のうち、なんと296種類で「誰かと一緒」の方が幸福度が高かったのです。
唯一の例外は「台所の片付け」で、これは一緒にやるとわずかに楽しさが下がっていました。
特に「食事や飲み物を誰かと一緒にとる」ときの幸福度アップが最も大きく、次いで「一緒に散歩や移動をする」「アクティブな余暇を分かち合う」といった活動でも効果が顕著でした。
驚くべきことに、「読書」「手芸」「通勤」といった、いかにも“自分の世界”に入りやすい活動でも、誰かと一緒にやるだけで幸福度は高まっていました。