交流そのものが幸せを作っていた
一方で、こうした結果を聞くと「それはもともと他人と過ごすのが好きな人ほど、何をしても楽しいのでは?」と疑う人がいるかもしれません。
しかし研究チームは、参加者の「その日の気分」や「もともとの性格」を統制した追加分析も行っています。
その結果、「他者との交流そのもの」が幸福感を引き上げていることが確認されました。
他方、「なぜ人は“みんなと一緒”が幸せだとわかっていても、一人の時間を選ぶのか?」という疑問もあります。
研究者たちは「一緒に過ごしたくても、常に相手がいるとは限らない」「幸せ以外の目的のために、一人の時間が必要なこともある」と指摘します。
例えば、試験勉強や集中したい作業は、楽しいグループ学習よりも一人で取り組んだ方が効果的なことも多いでしょう。
また、今回の研究にはいくつかの限界もあります。
「誰かと一緒だったか」を単純な「有・無」でしか判断していないため、相手との関係や交流の質までは評価できていません。
さらに、内向的な性格や「一人が好き」という個人差が幸福度に与える影響までは詳しく分析されていない点も注意が必要です。
それでも今回の研究は、普段は一人でやることも、誰かと一緒にやることで新しい楽しさや満足感が生まれる可能性を示しています。
一人の時間が好きな人でも、気が向いたときは誰かを誘ってみると、思いがけず幸せな気持ちになれるかもしれません。
えーそれでは勝手に皆様を代表いたしまして、私が一言。
一緒に何かする相手、いねんだわ。
でも、その後に1人でやってもあんまり楽しくなくなっちゃうという弊害
もともと一人でいた方が楽だと、どこでも何をするのも一人でしたがっていた私。しかし昨日、ひょんなことから妻と出かけることになり、それが予想外の楽しさにつながりました。日記に「一人でいない方がいい」と書いたところ、この記事を目にして、自分がこれから何を大事にしていけばよいか、後押ししてもらった気がします。