対ドローン兵器「レオニダス」
近年の戦争では、無数のドローンが一度に投入される光景が現実となっています。
ドローンは小型で不意に現れ、群れで突入することで防御網を突破します。
しかも安価で大量に調達できます。
そのため国家だけでなく武装組織やテロ集団といった国家以外の勢力までもが兵器として利用できるようになり、戦場の脅威は一層増しています。
こうした新しい脅威に対抗するために登場したのが高出力マイクロ波兵器Leonidas(レオニダス)です。
この兵器はレーザーや迎撃ミサイルのように一発ずつ撃ち落とすのではなく、強力なマイクロ波を照射してドローンの電子回路そのものをターゲットにします。
つまりドローンの外形や機体そのものではなく、制御を担う電子回路を直接攻撃して無力化するのです。
レオニダスといえば、紀元前480年のテルモピュライの戦いで、圧倒的に少ない戦力でペルシャの大群の侵攻を食い止めたスパルタ王の名前です。
新しいマイクロ波兵器に対しても、1台の兵器が多数のドローンを相手にできることから、その名がつけられたようです。
そして兵器Leonidasの力を示す今回の実演では、米軍施設キャンプ・アタベリーにて計61機のドローンを標的とし、100%の成功率で無力化しました。
実験は複数のシナリオで行われ、左右から同時に迫るドローン群を撃破したり、2機のうち、観客が選んだ片方の機体だけを狙い撃ちしたりしました。
また、単独のドローンを撃墜し、あらかじめ設定した安全地帯に落下させる場面なども披露されました。
そして最大の目玉は、数十機のドローンを一度に撃ち落とす実演でした。
次項ではその様子を記録した動画もあります。